ポスター

眠れよい子よ よい子の眠る/ところ

この度、神奈川県民ホールは50年の歴史に幕を閉じ、一度眠りにつきます。「ドリーム/ランド」(2022年度)、「味/処」(2023年度)に続く、本展「眠れよい子よ よい子の眠る/ところ」では、「場」というコンセプトに「よい子」「眠る」というキーワードを加えて、5名のキュレーターによって選ばれた、各地域から気鋭の作家5名を紹介します。現代社会における人間のありかたとして「よい子」、「眠る」という概念を、現代美術そしてパフォーマンスの表現として展開するアーティストたち。その作品と対峙することで、鑑賞者は「よい」という概念が時にどのように変化し、また「眠る」ことがどのような意味を持つのか、よい社会やよい生活について考える契機となるでしょう。

会期 2024年12月15日(土) - 2025年1月25日(日)
休場 木曜日(12月19日、26日、1月9日、16日、23日)
年末年始12月28日(土)~1月4日(土)※12月29日は開場
時間 11:00 - 18:00
※入場は閉場30分前まで
会場 神奈川県民ホールギャラリー[〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町3-1]
料金 一般:900円/学生・65歳以上:500円/高校生以下無料
※障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料
企画構成 中野 仁詞(キュレーター/公益財団法人神奈川芸術文化財団)
企画協力 大槻 晃実(芦屋市立美術博物館 学芸員)
慶野 結香(キュレーター)
畑井 恵(水戸芸術館現代美術センター 学芸員)
中村 史子(大阪中之島美術館 主任学芸員)
主催 神奈川県民ホール[指定管理者:公益財団法人神奈川芸術文化財団]
協賛 アクセンチュア芸術部
協力 √K Contemporary、英一番館株式会社
お問合せ 神奈川県民ホール
TEL 045-662-5901(代表)

神奈川県民ホールは50周年マグカル神奈川県民ん文化祭

市川友章

ICHIKAWA Tomoaki

1977年千葉県生まれ、東京都在住。2004年東京藝術大学大学院油画技法材料研究室修了。怪人や動物をモチーフにした油彩画、及び木彫作品を制作。主な展示に、2022年「醜いアヒルは同胞の夢を見るのか」(maimai 2F ALTERNATIVE SPACE/岡山)、「アートフェアアジア福岡 2022」(√K Contemporary/福岡)、2018年「動物の木彫」(ビリケンギャラリー/東京)、2014年「怪人教室」(LAD gallery/愛知)など。2025年に√K Contemporary にて個展開催予定。

《怪人遠足(鎌倉大仏)》キャンバス、油彩/F100号(1620×1303㎜)/2024
《椅子取りゲーム(逆立ちマン)》キャンバス、油彩/F30号(727×910㎜)/2024
《横たわるアサリーマン》キャンバス、油彩/F30号(727×910㎜)/2024
《怪人遠足(国会議事堂)》キャンバス、油彩/F100 号(1620×1303㎜)/2024
《怪人遠足(日光東照宮)》キャンバス、油彩/F80号(1455×1120㎜)/2024

岩谷雪子

IWATANI Yukiko

1958年北海道生まれ、高知県在住。武蔵野美術大学日本画科卒業。植物をこの地球上で我々と共存する最も重要な存在の一つと捉え、採集した植物で立体やインスタレーション等の作品を制作。主な展示に、2024年企画展「植物たちの声を聴く-岩谷雪子の世界-」(練馬区立牧野記念庭園/東京)、個展「植物を採集するということ」(Breaker Project/大阪)、2021年・2019年「六甲ミーツアート」(兵庫)、2017年「Moving Plants」(Rønnebæksholm/デンマーク)、2015年「越後妻有アートトリエンナーレ」(新潟)など。

《ギシギシ・英一番館のフォーク》2024

多和田有希

TAWADA Yuki

1978年静岡県生まれ、京都府在住。2011年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻博士後期課程修了。人間の精神的治癒のシステムをテーマに制作。自らの撮影した写真表面を削る、燃やすなどするユニークな手法は、芸術療法や民間信仰のリサーチをもとに展開している。主な展示に、2024年「I'M SO HAPPY YOU ARE HERE JAPANESE WOMEN PHOTOGRAPHERS FROM THE 1950S TO NOW」(アルル国際写真祭/フランス)、2023年「歌う船」(空蓮房/東京)、2022年「見るは触れる 日本の新進作家 vol.19」(東京都写真美術館/東京)など。

《I am in You》2016-2022/「見るは触れる 日本の新進作家 vol. 19」展示風景 提供:東京都写真美術館 撮影:井上佐由紀
《lachrymatory》2021
《Family Tree》2019

中瀬由央

NAKASE Yukihisa

1971年兵庫県生まれ、同地在住。1993年大阪芸術大学美術学科卒業。闇夜では見えない蝙蝠を超音波可聴化受信機によって音で認識できたことで「見えないからいないのではなく、見えなくても存在する」ことに興味を持ち、様々な場所で「隠れた音」を探索、「音とそれをとりまく事象」をテーマに制作する。主な展示に、2013 年「路上と観察をめぐる表現史 考現学以後」(広島市現代美術館/広島)、2010年「六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?」(森美術館/東京)、1995年「ジョン・ケージのローリーホーリーオーバーサーカス」(水戸芸術館/茨城)、など。

《見えないからいないのでなく ─ 街路樹》2024
《薮を歩く、音の軌跡》2017

ひがれお

HIGA Leo

1995年沖縄県生まれ、同地在住。2020年沖縄県立芸術大学大学院造形芸術研究科修士課程絵画専攻修了。自身の家族史の収集や子供時代の記憶の再現を糸口に、沖縄のイメージの再構築を行う。2023年まで西永怜央菜名義で活動。主な展示に、2023年「沖縄画-8人の美術家による、現代沖縄の美術の諸相」(沖縄県立芸術大学附属図書・芸術資料館/沖縄)、やんばるアートフェスティバル「ある人物」(塩屋小学校/沖縄)、「Homemaking#2 あたえられた土地と土」(武蔵野プレイスギャラリー/東京)、2022年「沖縄人」(galleryrougheryet/沖縄)など。

《ハロウィーンの子供たち》2019 ©︎Artstropical
《border jumper》2024
《souvenir room》2023

キュレーター

本展では、他館のキュレーターに参画を依頼し多角的に本展のキーワード「ねむれ/よいこ」を検証し展開します。現代美術を取材研究し展覧会として実現してきた専門家と共に企画の実現に向けて議論を重ね展覧会を実現することで、神奈川での新しい現代芸術の表現の創出が期待できます。

企画構成

中野仁詞NAKANO Hitoshi

公益財団法人神奈川芸術文化財団(神奈川県民ホール/KAAT 神奈川芸術劇場)キュレーター/第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(2015)日本館「塩田千春 掌の鍵」、横浜トリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」。神奈川県民ホールギャラリーでの主な展覧会に、「日常/場違い」(2009)、「日常/ワケあり」(2011)、大山エンリコイサム「夜光雲」(2020-21)、「ドリーム/ランド」(2022-23)、「味/処」(2023-24)など。KAAT神奈川芸術劇場での主な展覧会に、塩田千春「鍵のかかった部屋」(2016)、さわひらき「潜像の語り手」(2018)、小金沢健人「Naked Theatre-裸の劇場」(2019)、宮永亮「KAA10」(2020-21)、冨安由真「漂泊する幻影」(2021)、志村信裕「游動」(2021)、鬼頭健吾「Lines」(2022)など。慶應義塾大学大学院美学美術史学専攻前期博士課程修了。

企画協力

大槻 晃実OTSUKI Ayumi(芦屋市立美術博物館 学芸員)

芦屋市立美術博物館学芸員。尼崎市教育委員会学芸員を経て2011年より現職。専門は日本近現代美術。美術館では展覧会企画のほか教育普及事業を担当。2014年度より美術家や音楽家、研究者などを講師としたアートスタディプログラム「まなびはく」を実施している。近年担当した主な展覧会に「小杉武久 音楽のピクニック」(2017年)、「art trip vol.03 四海の数」(2019年)、「芦屋の時間 大コレクション展」(2020)、「美術と音楽の9日間 rooms」(2020)、「植松奎二 みえないものへ、触れる方法―直観」(2021)、「限らない世界/村上三郎展」(2021)など。

慶野 結香KEINO Yuka(キュレーター)

秋田公立美術大学、サモア国立博物館(Museum of Samoa)での勤務を経て、青森公立大学 国際芸術センター青森[ACAC]主任学芸員。アジア・パシフィック地域における、布をはじめとした文化のリサーチを行いながら、アーティストと協働し近現代史を再考する企画を多く手がける。近年の主な企画に、「いのちの裂け目布が描き出す近代、青森から」(2020)、SIDE CORE/EVERYDAY HOLIDAY SQUAD 個展「under pressure」(2021)、「余の光 Light of My World」(堤拓也 / 山中 suplex との共同キュレーション、ALTERNATIVE KYOTO in 福知山、 2021)、小田原のどか個展「近代を彫刻/超克する―雪国青森編」(2021-22)、「currents / undercurrents―いま、めくるめく流れは出会って」(2024)など。

畑井 恵HATAI Megumi(水戸芸術館現代美術センター 学芸員)

高校中退後、辻製菓専門学校、辻調グループフランス校シャトー・ド・レクレール卒業。 Chocolaterie Béline (フランス、ル・マン)での研修を経て、フランス菓子 シャルル・フレーデル(大阪)でパティシエとして2年間勤務の後、大阪大学文学部で西洋近現代美術史を専攻。大阪大学文学研究科博士前期課程修了、同研究科博士後期課程単位取得退学。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館学芸員、千葉市美術館学芸員を経て2022年より水戸芸術館現代美術センター学芸員。主な企画に「とある美術館の夏休み」(2022)、「つくりかけラボ 04 飯川雄大|デコレータークラブ─0人もしくは1人以上の観客に向けて」(2021)、「目[mé]非常にはっきりとわからない」(2019)など。

中村 史子NAKAMURA Fumiko(大阪中之島美術館 主任学芸員)

専門は視覚文化、写真、コンテンポラリーアート。美術館で担当した主な展覧会に「放課後のはらっぱ」(2009年)、「魔術/美術」(2012 年)、「これからの写真」(2014年)がある。また、美術館にて若手作家を個展形式で紹介する「APMoA Project, ARCH」を企画し、伊東宣明、飯山由貴、梅津庸一、万代洋輔を取り上げた他、2017 年にはタイのチェンマイにてグループ展「Play in the Flow」を企画、実施した。主な共著に「キュレーションの現在:アートが「世界」を問い直す(Next Creator Book)(フィルムアート社/2015年)があるほか、雑誌等への寄稿多数。

関連イベント

場所:神奈川県民ホールギャラリー展示室
参加費:無料(但し展覧会の入場券が必要です)

アーティスト × キュレーター トークセッション

日時:①12月15日(日)13:00〜14:00

本展参加アーティストと、キュレーターたちが作品やその制作についてお話しします。

浜田純平(ダンサー)による即興パフォーマンス

日時:1月18日(土)①14:00〜 ②16:00〜(各回30分予定)

9歳からヒップホップ、ジャズ、コンテンポラリーダンス等を学び、多数公演に出演する浜田純平。本展では展示会場を舞台に各アーティストの作品とのコラボレーションを視野に入れながら、即興のパフォーマンスを行います。

浜田純平 ポートレート
photo:加藤 浦

浜田純平HAMADA Junpei

OrganWorks/LIFULL ALT-RHYTHM所属。1991年北海道生まれ。東京都在住。北海道大学工学部情報エレクトロニクス学科情報通信フォトニクス研究室卒業。OrganWorks作品のほか、『ウェンデイ&ピーターパン』『浜辺のアインシュタイン』等、演劇・オペラの舞台にも多数出演。また、世界初のプロダンスリーグである『D.LEAGUE』にLIFULL ALT-RHYTHMのメンバーとして参戦。

ドラマリーディング「銀河鉄道の夜」
荒澤守(俳優) × 大田智美(アコーディオン)

日時:1月24日(金)①14:00〜 ②16:00〜(各回30分予定)

3月に眠りにつく県民ホールに寄せて、「銀河鉄道の夜」をモチーフにした朗読劇(脚本:近藤輝一)を、俳優の荒澤守とアコーディオンの大田智美が上演します。言語表現と合わせて奏でられるアコーディオンの響きが、展覧会の会場にどのような情感を創出するのか、ご期待ください。

荒澤守 ポートレート

荒澤 守ARASAWA Mamoru

大田プロダクション所属。1995年埼玉県生まれ。東京都在住。京都芸術大学アートライティングコース在籍 2014年小劇場での演劇から活動開始。2022年より新宿梁山泊での花園神社特設紫テント公演を中心に活動をしている。 2019年PARCO Produce『転校生』、2023年『失われた歴史を探して』、2024年『ジャガーの眼』など。

大田智美 ポートレート
photo:Jumpei Tainaka

大田智美OTA Tomomi

アコーディオン奏者。幼少期よりアコーディオンを始め、国立音楽大学附属音楽高等学校ピアノ科卒業後、渡独。2009年フォルクヴァンク音楽大学ソリストコースを満場一致の首席で卒業、ドイツ国家演奏家資格を取得。御喜美江氏に師事。また特待生としてウィーン私立音楽大学でも研鑽を積む。帰国後は、ソロや室内楽、オーケストラとの共演等クラシックや現代音楽を中心としながらもジャンルを超えた演奏活動を行い、アコーディオンの魅力と可能性を発信している。

地図

神奈川県民ホールギャラリー

〒231-0023
神奈川県横浜市中区山下町3-1
TEL.045-662-5901(代表)
FAX.045-641-3184
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    芸術劇場・NHK前下車 徒歩約2分
    横浜駅東口バスターミナル2番のりば(所要時間約25分)
    桜木町駅バスターミナル2番のりば(所要時間約10分)
  • 県民ホール有料駐車場(84台)もご利用ください。

これまで神奈川県民ホールギャラリーで開催された現代美術展